― 解説 ―

山の精霊が里に降りてきて女性と戯れ、
踊り再び山に帰っていく様を 表現した、
荘厳で力強い男性的な精霊の舞いである。

民間伝承の一つに、「神かくし」と言われるものがある。
一人で山には入り、そのまま姿を消してしまう。
主に女性が多かったようであるが、
この世のどこかにいるのか、
あるいは別の世界へいってしまったものか、
決して人里には戻ってかなかったという。

それは山の精霊の仕業であると信じられていた。
ひとに言えない訳があったのかも知れない。

すべて闇の中の出来事である。

ただ、人智を超えた自然と、
人の暮らしのつなぎめが、
どこかにあった事だけは確かである。


≪銀雪に輝く中央アルプスの、
  雄大な山並を感じ取ってもらえれば幸いです。≫

岡本芳一